はじめに
最近、「毎月分配型投資信託」に再び注目が集まっているのをご存知でしょうか?
毎月分配金が受け取れるため、まるで「毎月お小遣い」が入ってくるように感じられ、多くの人が魅力を感じるようです。
しかし、その裏には知っておかないと損をするリスクが潜んでいます。
本記事では、毎月分配型投資信託の実態と投資する際の注意点について解説していきます。
大切なお金を守るためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
毎月分配型投資信託とは?
毎月分配型投資信託は、一般的な投資信託とは異なり、毎月定期的に分配金が支払われるタイプの投資信託です。
「毎月安定した収入が得られる」と思って購入される方が多いですが、実はこの仕組みには注意が必要です。
分配金の正体
分配金がどこから出ているか考えたことはありますか?
実は、分配金の元はファンドが運用している資産(純資産)から支払われているのです。
ファンドが保有する株式や債券、受け取った利息や配当から捻出されていますが、場合によっては投資家の元本からも払い戻されています。
つまり、自分のお金を一部引き出しているに過ぎないケースもあるのです。
毎月分配型投資信託の問題点①:説明不足による誤解
毎月分配型投資信託の購入者の中には、「分配金=利益」と勘違いしている方が多くいます。
しかし、分配金を受け取ることでファンドの基準価格が下がり、資産が減っていることを知らない人が多いのです。
金融庁のレポートによると、こうした仕組みを正しく理解している人はわずか3人に1人。
多くの投資家が説明不足のまま誤解した状態で購入していることが指摘されています。
よくある誤解
例えば、100円でファンドを購入し、5円の分配金を受け取った場合、「5%の利回りだ!」と思ってしまいがちです。
しかし、実際には100円のうちの一部が戻ってきただけで、その分基準価格が下がっています。
受け取っているのは「利益」ではなく「元本の一部」かもしれない、という点をしっかり理解することが重要です。
毎月分配型投資信託の問題点②:高コストの負担
次に挙げられるのが高コスト問題です。
毎月分配型投資信託は、年率1~2%近い信託報酬がかかるものが多く、その負担は大きなデメリットになります。
例えば、「アライアンスバーンスタイン米国成長株等身Dコース」は年率1.727%、「インベスコ世界厳選株式オープン」は1.903%と、非常に高額です。
これだけの手数料が毎年引かれると、ファンドの成績が良くてもリターンが削られてしまい、特に長期保有では投資家にとって不利になります。
さらに、販売時にも高い手数料がかかる場合が多いのが実情です。
インデックスファンドの検討もおすすめ
こうしたリスクの多い毎月分配型投信に対して、低コストで長期的なリターンを狙えるインデックスファンドやETFが代替案としておすすめです。
S&P500やオールカントリーなど、世界経済全体の成長に連動するファンドは、信託報酬が0.1~0.3%程度と非常に低く、コストを抑えて資産を長期的に増やしていけるメリットがあります。
まとめ:毎月分配型投信を理解して賢く選択しよう
毎月分配型投資信託には魅力がある一方で、誤解や高コストといったデメリットも多いことがわかりました。
「お金が増えている」と感じることが実は勘違いで、むしろ資産が減っているかもしれないというリスクをしっかり理解しましょう。
最後にチェックしたい3つのポイント
- 分配金の実態を知る - 自分の元本が減っている可能性があることを理解する。
- 金融機関の説明不足に注意 - 投資信託の仕組みをしっかり自分で確認する。
- 高コストな商品には慎重に - 特に長期運用にはコストの低いファンドが適しています。
もし周りで毎月分配型投信を勧められている方がいたら、ぜひ一度本記事を参考にして、リスクについて理解を深めていただければと思います。
大切なお金を守り、賢く運用していきましょう!