
分配金目当てで投資したのに、結果は「無配」だった──。
そんな体験をきっかけに、私は毎月分配型の仕組みを一から見直すことになりました。
この記事では、アライアンス・バーンスタインDコースを通じて、
“普通分配金を得るための設計戦略”を実践した私のリアルな記録をお届けします。
「タコ足配当って、結局損するんでしょ?」
「毎月分配型=情弱向けって言われるのは本当?」
「将来プラチナNISAで使って大丈夫なのかな…」
そんな不安を感じたことがある方にこそ、読んでいただきたい記事です。
“配当を利益に変える”視点を、今日からあなたの投資にも取り入れてみませんか?
【やってしまった…初めての“無分配”体験】
2025年3月。
私はアライアンス・バーンスタインDコースを初めて購入しました。取得単価は10,853円。
この時点で、毎月分配型の商品についてはある程度知識があり、「タコ足配当」のリスクも理解していたつもりでした。
ただ、それでも分配金は出るだろうという前提がどこかにあったんです。
購入したのは3月の上旬。
その後、市場は徐々に軟調な展開となり、基準価額もジワジワと下落。
「この調子だと、分配金が出ない可能性もあるかも…」と、嫌な予感はしていました。
でも、ギリギリもらえるんじゃないか──
そんな淡い期待を抱いていたのも事実です。
そして迎えた3月15日の決算。
届いた通知を開くと、そこにあったのは「分配金 0円」という一言。
──ショックでした。
「分配型だから買ったのに、出ないの?」
「え、これってずっと無配なの?自分の判断、間違ってた?」
タコ足配当の仕組みは知っていても、“もらえない現実”の衝撃は想像以上でした。
この経験が、私の投資姿勢を変える大きな転機となったのです。
【“タコ足配当”という現実と向き合う】
“無分配”の現実を目の当たりにしたあと、私はすぐに「どうして分配金が出なかったのか?」を調べ始めました。
もちろん、「タコ足配当(=元本の払い戻し)」の仕組みは以前から知っていました。
取得単価よりも基準価額が低ければ、たとえ分配金が出ても、それは“利益”ではなく元本を取り崩しているにすぎない──それも理解していたつもりです。
でも、この時の私の思考はもう一歩先に進んでいました。
「じゃあ、どうすれば“全額普通分配金”として受け取れるのか?」
私は考えました。
「分配金が出て、そのタイミングで基準価額が下がるなら、その分配後の価額で買い増しすれば取得単価は下がるんじゃないか」と。
つまり、分配直後=基準価額が最も下がる瞬間に買えば得なのでは?という仮説です。
実際、私は3月の決算後、わずかですが買い増しを行いました。
本当は100円の分配を想定していたため、それを見越して準備していたのです。
結果的に3月は無分配だったため、この動きは“裏目”に出たように思えるかもしれません。
でもこの思考が、のちに訪れる「チャンス」を見逃さない視点を養ってくれました。
どうすれば分配金を「利益」として確保できるのか?
私は徐々に“受け取る配当の質”に注目しはじめていたのです。
【なぜ“無分配の3月”に買い増したのか】
分配金の通知を開いた瞬間、私は肩を落としました。
2025年3月15日、Dコースの分配金は0円。
そのときの基準価額は10,153円…。
“まさかこの価格で分配が出ないとは…”と正直、驚きました。
けれど、そこで落ち込むだけでは終わりませんでした。
私はすぐに戦略を切り替え、「次のチャンスはどこか?」を考え始めたのです。
このファンドは、基準価額が11,000円未満だと分配金は“出ない可能性が高い”と理解しました。
この価格帯だと基準価格を勘案して決定と分配方針に明記されています。
そして事実、10,153円では分配は見送られました。
でも、ここで私はある確信を持ちました。
「基準価額が1万円を切る場面が来れば、“普通分配”を狙えるチャンスになる」と。
その予感は、すぐに現実になります。
4月に入り、トランプ関税ショックが発生。
市場全体が下落し、ファンドの基準価額も1万円を割り込みました。
私はここを逃しませんでした。
「ここで買い増せば、取得単価は下がり、将来の分配は“利益”として受け取れる」
そう判断して、段階的に買い増しを実行しました。
その結果、取得単価は10,853円→9,592円に。
ここから、私の“普通分配フェーズ”が始まったのです。
【2025年5月、私は普通分配を受け取った】
4月。
取得単価を1万円以下──9,592円まで下げた私は、内心ワクワクしていました。
「よし、これで次の分配は“全額普通分配”になるはずだ」と。
でも、届いた通知を見て一瞬固まりました。
──またしても無分配(0円)。
基準価額は9,476円と、わずかに1万円に届かず。
「うーん、もう一歩だったか…」
正直、このときは少し不安にもなりました。
“設計通り”に進めているつもりでも、相場は思い通りにならない。
「これ、本当に報われる日が来るのか?」と、少しだけ心が揺らいだ瞬間でもありました。
──そして迎えた5月。
今度の基準価額は10,476円。
分配金は100円。
私は通知を開く前から、ある“確信”がありました。
「これは、普通分配になる。」
実際に届いた通知を確認して──その通り。
100円すべてが、課税対象の“普通分配金”として振り込まれていたのです。
税金は引かれました。
でも、その分は“利益”として認識されているということ。
つまり、私は自分の資産が本当に増えたということを、分配という“実感”で受け取ったのです。
これは、投資を始めたときに思い描いていた“将来、配当を受け取りながら生活していけたら”というイメージに、一歩近づいた瞬間でもありました。
「この戦略、間違っていなかった」
そう感じた5月の配当でした。
【普通分配を得たい人がやるべき3つのこと】
「毎月分配型はタコ足で損をする」
そんなイメージを持って、敬遠している人は少なくないと思います。
でも、私はこの数ヶ月の体験で、“利益としての分配金”を自分で設計する方法を体得しました。
それは、運任せでもタイミング勝負でもなく、明確に再現可能な戦略です。
以下の3つの視点さえ押さえておけば、普通分配で利益を受け取る未来は誰にでも開けている──私はそう実感しています。
✅ 1. 「無分配」や「暴落」を“設計チャンス”と捉える
分配金が出ない月。相場が急落した月。
投資家心理としては最も不安が強まる場面です。
でも、実はそこが取得単価を下げる最高のタイミング。
人が引くときに仕込む。これが、分配型の“回収フェーズ”を作る鍵になります。
✅ 2. 「取得単価」を意識して、積極的に操作する
分配金の“質”は、すべて取得単価で決まります。
取得単価より分配後の基準価額が上なら、それは利益=普通分配。
つまり、自分の“買いタイミング”次第で、将来の分配金が「元本」になるのか「利益」になるのかが分かれるということ。
積極的に取得単価を調整する視点は、分配型投信では必須のスキルです。
✅ 3. 分配方針と水準表をチェックし、自分で設計する
アライアンス・バーンスタインDコースのように、基準価額に応じて分配金の目安が決まっている商品であれば、自分の取得単価に対して、どの基準価額になれば普通分配になるかが“見えて”きます。
一度この関係性を理解できれば、市場が落ちてきたときに「いまがチャンス」と冷静に判断できるようになります。
つまり──
普通分配を得るためには、“待つ”のではなく“設計する”ことが必要なのです。
【まとめ】“配当=損”を超えて、利益配当へ
今回の体験を通じて、私は「分配型=タコ足で損」という思い込みを根底から見直すことになりました。
確かに、取得単価が高ければタコ足になることもあるし、市場の下落に巻き込まれて一時的に評価損が出ることもあります。
でもその裏側には、設計次第で“利益”を受け取れる構造が確かにあったんです。
たとえば…
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分配金が出なくてガッカリした3月
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トランプ関税ショックで市場が崩れた4月
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そこでも動じず買い増した判断
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そして5月、ついに受け取れた全額普通分配金
すべては、“利益として分配を受け取る”という明確なビジョンに沿って設計した結果でした。
分配型投信は、“持ち続ける商品”ではありません。
「設計して使う商品」です。
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いつ買うか
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どこまで下がったら買うか
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取得単価をいくらにするか
これを考えることができれば、毎月の分配金は「元本を削る」ものではなく、「利益を届ける」手段に変わります。
📌今、不安で動けないあなたへ
それ、むしろ“設計のチャンス”かもしれません。
目の前の下落や無分配を、未来の利益に変えるための「仕込み」の時期──
そう思えたとき、投資信託の見え方はきっと変わってくるはずです。
毎月分配型の投資信託を購入するなら盲目的に積み立てをするのではなく、しっかりと計画を立てて購入してみてはいかがでしょうか。
